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病室
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海斗は俺を残して病室から出て行った。
眠っている伯父さんと2人きりなんて今までにないからどうしていいかわからない。
まずは伯父と甥として。
「伯父さんが1人ぼっちの俺を救ってくれたんだ。あの日から家族は伯父さんしか居なかった…だから、ありがとうございます。俺なんて天野の名を名乗ることすら許されないはずなのに、学校にも行かせて貰えて感謝してます。」
そして清と僕として。
「助けてくれたと思ったら抱かれて、逆らったらお仕置きされて。正直死のうかと思ったけどそれも許してもらえなくて…。毎日あなたと顔を合わせるのが恐怖でしかなかった。今でも怒った時は震えるくらい怖いけど、でも、だけど!僕には清さんが必要なんです。愛されてる実感がいるんです。僕を1人にしないって守るって約束したのに…お願いだから1人にしないで。置いてかないで。清…お願いだから…。」
心の中を初めて口に出した。
相手には聞こえていないかもしれないのに。
慶太は清の手をぎゅっと握りしめて泣いた。
大切な家族を失いたくなかった。
「…け、いた、…ごめんね…。」
「清!清さん!目を開けて!置いてかないで…よ…。」
最後の言葉は謝罪だった。それは今までのことか、慶太を置いていくことにか。何にかはわからない。ただ、最後に向き合ったのは慶太だった。
機会音が部屋中に響いた。
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