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限界
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海斗の声で目を覚ました。
時計によれば3時間しか寝れていないみたいだ。
「お前今日の1限のプレゼン誰に頼んだ?」
「え、プレゼン?」
寝ぼけた頭では何のこと分からず混乱してしまう。
「はぁ…学部全体の講義だ。やってないとか?」
「あ、それは…たぶん、とも…が…、、。」
「は?」
自分で大学に行きプレゼンをすることは海斗が許可しないと思い、メールで教授にも行けないことを説明して代理を立ててもらう事になっていた。その代理はともが引き受けてくれていた。
「海斗は忙しいから、学科も同じだしともに頼んだと思う…ごめんなさい。」
「俺が一緒にいるんだから俺に頼めばいいだろ。そうしたらあいつと毎日電話なんてしなくて済むだろう、考えろよ。」
海斗に怒られてしまった。とも絡みのことになるといつもこうだ。
「今日のことはどうにも出来ないけどもうあいつとは連絡取るな。」
怒っている海斗を前にして頷くことしか出来なかった。
大丈夫。海斗とはパソコンのメールでやり取りすればバレない。
自分に言い聞かせて海斗に従順なフリをした。
「海斗…海斗を頼らなくてごめんなさい。今日は何時に帰ってくる?」
「会社に行くから何時になるかはわからない。それまでいい子で待ってろよ。帰ったらお仕置きだからな。」
「…はい。」
このマンションに住んでから海斗が早く帰ってくることはなかった。伯父が亡くなってから本格的に海斗の仕事が始まり、暇さえあれば会社に行っている。
もう限界なんだ、お互いに。
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