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復唱
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ともの連絡先を書いた紙を取り出して番号を押す。
お礼を言うだけ、ともを巻き込んではいけない。そう何度も心で復唱した。
「…はい、竹野です。」
「っあ!とも?」
「え?慶太!電話なんてどうしたんだよ!しかも誰の番号?!」
「ちょっと事情があって。話聞いてほしい。」
「お、おう。話って?」
プレゼンを代わりにしてくれたお礼と今まで助けてくれたお礼。そして、大学は辞めることを伝えた。もう会うことはないと。
最後に「ありがとう」を伝えたかったこと。泣きそうになるのを我慢しながら、「助けて」と言ってしまいそうになりながら。
「慶太、最後に会わないか?お願いだ、最後に顔だけ見せてほしい。そうしたら何も言わないから、お願いだ。」
とものこんなにも必死な声聞いたことがない。いつも明るくて俺に普通をくれる太陽のような存在だ。
会ってしまったら…。と悩んだが、会いたいという気持ちに嘘を付かなかった。
サラリーマンに公園の場所を聞いて、ともに伝えた。
遠くまで来たと思っていたが、案外進んでいなかった。1時間後に着くと言われた。
サラリーマンにお礼を言って公園のベンチで待つことにした。
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