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口座
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ぐずぐずに泣いている俺をしっかり抱きしめ、ゆっくりと背中をさすってくれた。
「2人とも仲直りできてよかったなぁ〜…。」
スマホを貸してくれたサラリーマンが俺たちに向かって拍手を送る。それがなんだか恥ずかしくて顔が赤くなった。
「おじさん、こいつにスマホ貸してくれてありがとう!呑みすぎるなよ!」
「おうおう!2人の邪魔しないうちに帰るさ。」
「何も知らんが、2人ともがんばれよ〜。」
サラリーマンは手を振りながら公園から駅に向かって歩き始めた。
俺たちも前に一歩進まなければいけないのだ。
「とりあえず、金が必要だな…。寝泊まりするのに足が付かないようにしないと行かないし…。」
「…ごめん。俺お金持ってなくて、手ぶらで家出てきたし。」
「それは想定内、だから俺の口座からコンビニでお金下ろせるだけ下ろそう。あと!謝るの禁止だから。」
「…うん。」
海斗なら色々な方面の力を使って場所を突き止めようとするだろうからお金を下ろすのはこの街で最後だ。有難いことに都会にはコンビニが沢山あって銀行が開いていない時間でもお金が引き出せる。
2人で話し合い、ともの親が子どものために作った口座のお金には手を付けないことにし、バイトをして稼いだ分だけ使うことにした。
「本当に、何から何まで…俺なんてバイトしたことないし。返せるか分からないけど…。」
「いいって、バイト代は俺が自由に使うための金だから。俺は慶太と逃げるために使いたいんだ。」
「あ、ありがとう。」
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