アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
夕日
-
佐々木さんの工場で過ごすようになって1ヶ月が経った。
他の工場の人や町の主婦さんとも仲良く話せるようになった。全てともと佐々木さん一家のおかげだ。
夕日が沈む時、工場から聞こえる作業音がどこか温かくて好きだ。
「慶太くん、事務以外に孫に勉強まで教えてもらってありがとうな。どうだい?この町には慣れたかな?」
「はい、夕日が綺麗だと初めて思いました。」
「ここら辺は高い建物が無いからよく見える、朝日もいいぞ。」
「はい。」
「何か話したいことあるんじゃないかい?」
「えっ?」
「思ったことは言った方がいい、それが何日も考えたことなら尚更。」
「でも…。」
「朝日が昇るまで時間はたっぷりあるから大丈夫。」
佐々木さんはいい人だ。2人で朝日を見た。
この町で見る朝日は最後になるだろう…。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
88 / 91