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「飲みすぎたーん」
「バカ。………帰るぞ」
「やだやだ。パリピしたい。ディスコでフィーバーしたい」
「何時代だよバカ。………歩ける?」
居酒屋を出て、眼鏡男子に肩を貸している、さっきの男の子を見つけた。やっぱこいつら、仲いいんだ。
「さーせん。俺ら帰りますね」
「はーい。てか水野くんマジで大丈夫?」
「大丈夫ですう。二次会行けますう」
「行かせませえん。おら、歩けや」
「……深谷くんって、水野くんには態度冷たいよね?」
「えー。だって同郷っすもん。くそめんどくせぇ……」
舌打ち。肩を貸してるんだか、おぶってるんだか、もはや区別がつかない。
「…………水野ぉ。眠いんならおぶるけど?」
「ねぶいですう」
「………………お前酔ってんじゃなくて寝不足だべ?」
「そうなんすう」
「……………………………あ、ごめ、ありがとうございます」
友人を背負うのに、いっとき見守っていた女子が鞄を預かってくれている。なにこのほんわかとした空気。健全な男女交際。
「………………こいつコミュ障だから今日のすっげ楽しみにしてたの。あんまヒかないでやってね」
ありがとうと鞄を受け取り、深谷が言葉を続けた。
「えー、ヒかないヒかない」
「てか、水野くん可愛いよね?」
「えっ」
「あーわかる。可愛い」
「俺は?」
「あはは」
「あははじゃねえし。……帰りまーす」
「ばいばーい」
くわえ煙草で、一連の行動をガン見していた俺は、ようやく顔を反らせた。なんだかんだ、一次会にはまるっと参加してしまった。それでもまだ22時。さて、と。
他にも抜ける組に混じって、俺は例の彼と抜け出す。誰も見てないあたりで手を繋いだ。
……………羨ましくない。
友達とか。同郷とか。そんなもん邪魔なだけだった。俺のことを理解しないなら、家族さえ要らない。俺は男とセックスがしたい。色んな奴と色んなことがしたい。付き合いたくはない。わりとホモにも嫌われる行動パターンだ。愛とかめんどくさい。ヤりたいだけだ。あんなおんぶとかガキくせーことより、この恋人繋ぎの手のほうがやらしいっしょ。ちゃんと人と触れあってるって感じするでしょ。
友達なんか要らないし。
しかもあんな眼鏡のだせぇ奴。
酒の飲み方も知らねえのかよ。
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