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「あ、深谷くーん!」
「お、またラーメンかい、あんた」
うが。女の子。
苦手。苦手。苦手。苦手センサーが敏感に反応する。やー、もう、大学生の女の子って、ふわふわしてて、キラキラしてて、大人っぽいのとガキっぽいのと、どっちもいる。あー、苦手。
スレた目付きの女ならヤりまくってたんだけどなあ。普段着ジャージと包帯です、みたいな。木刀がチャームポイントです、みたいな。隠し味はスタンガンです、みたいな。
染めたロングの髪の毛がバサバサになってて、だいたい甘ったるい匂いするガム噛んでるような。そーゆーの、大学生にはいないのだ。あいつらは大学とか行かないのだ。
「あ、水野くんそれ新作のやつっしよ」
「あ、は、はい」
元いじめられっこは女に話しかけられてキョドってる。へー、新作なんだ。サンドイッチに新作とかある? 挟むもんなんてもう開発されまくってネタなくね?
「つかこの前大丈夫だった?」
新歓で酔いつぶれた水野は、顔を真っ赤にする。あーあ。いやいや、こいつ、ほんと楽しみにしてたんだって。
友達出来るの。
「あ………えと……」
「楽しかったもんねー! あたしも呑みすぎちゃった」
「そーそー、あのあとリサコつぶれてたもんね」
「やだー、やめてよ、ちょー恥ずかしかったんだから」
「みんなはしゃいでたからなあ」
「つか二次会どこ行ったん?」
いい流れに乗って、話を少しそらす。大丈夫だよ、水野。お前をいじめるようなバカは、もういないんだからさ。
「えー、とりまカラオケ? つか、ユカピまじで歌上手いから。今度聞いてみ? 泣ける」
「マジで?」
「マジ。あー、あとあれ……サバンナがセーラームーン歌った」
「え、おっさん?」
「おっさん酷くない? 同い年、同い年」
「ウケる……………あ、浅原くーん!」
ふわふわの女子が手を振る。駄目だ俺。この女の子たちの名前がわからない。きっと覚えてもない。てか、喋ったっけ? すげー人数いたじゃん。
浅原、と呼ばれて、食堂に入ってきたばかりのイケメンがこっちに来た。……………こいつは覚えてる。途中から来て、つまんなさそうにしてた奴。
趣味サーフィンです、みたいな背の高い、少し日焼けした奴。短い黒髪と、片方だけつけた小さなピアス。
…………女子に人気だった。一回だけ目があった。手ぇ振ったらシカトされた。それだけ覚えてる。
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