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話しかけられてビビった。忍者か。やべ。昔の俺なら気配とか敏感だったのに。鈍ったな。
……………………いや、鈍っていいんだった。
「あ、あー。………あー、浅原? くんだっけ?」
「あ、はーい」
俺は膝を払って立ち上がる。なんだ、その間延びした声は。
「…………………」
初めてまともに見た気がする。というか、初めて二人だけだ。距離も近い。意外と背ぇ高いな、こいつ。
「…………………」
高そうなオサレ服。モデルさんかよ。
「……………えっ? なに? わざわざ話しかけてきて無言?」
思わずつっこんだ。
「えー? や、…………意外と背ぇあるなと思って」
「は? てめ俺のことなんだと思ってっんん、あ、あは、そう?」
「………………」
「やー? わりと普通だけどな。浅原くん背ぇ高いよね。かっこいー」
「………………」
「……………あはー。え、なに?」
「………………あのさあ、深谷くんってもしかして、」
「あ、あ。そうなの俺こんなでも一応170は越えてっからね? そんなチビでもないぜ?」
「じゃなくてさあ、」
ずい、と近づいてくるから、ぬるっと避ける。いやいや、今のでバレないよな。ちょっと口が悪いだけの。
「え? じゃなくて? あ、そういやハイキングの話ってどうなっ」
「深谷くん」
「はいっ………」
シー、と唇に手をあてて、浅原は騒ぐなと伝える。うるせ。お前がぐいぐい来なきゃテンパッてねえよ。
元ヤンじゃねえ元ヤンじゃねえ、ぜってーこんな奴にそっこーでバレるわけにはいかねえ!
いざとなったら殺す!
いや殺しちゃだめだ、口封じってどうやるの一般人!
教えてグーグル!
そもそも一般人って口封じしねえか! あっはは!
積んだ!
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