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【傷 深谷side】
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【傷 深谷side】
「おー。見晴らしいいなー」
「すげー。きれー!」
ハイキング日和の快晴。サークルのメンバーでお出掛けする。
「水野、大丈夫ー?」
「あー、うん…………」
女子より体力のない水野は、序盤からもう息が切れている。スポーツ苦手だもんなあ、こいつ。筋肉ないし。
「だ、大丈夫。……さき行ってて」
「やだ。……一人で歩いてもつまんねーじゃん」
だいたい、急ぐようなもんでもないし。景色をゆっくり見るのにちょうどいい。
「お、大丈夫?」
あとからぞろぞろ連れだってきた浅原達と、顔を合わせる。いつも囲まれてんな、こいつ。だいたい美男美女。リア充かよ。リア充か。そうかそうか。
「荷物持とっか?」
「あんま無理すんなよー?」
大丈夫。ありがとう。笑顔で返して水野は俺にも手を振る。いいから行けってことか。はいはい、それじゃあ遠慮なく。
「…………あれ置いてっていいの」
浅原が肩を寄せて、こっそり俺に言う。
「あー。いいのいいの」
本気で頑張りたいときは一人になりたい奴だし。それにほら。
……………女子に声かけられて、満更でもない顔してる。
「ふうん」
浅原は、あんま理解してない感じで頷いた。
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