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熱
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少年の様子を見に寝室へ入ると、少年は荒い呼吸で、頬は真っ赤になっていた。
これは確実に熱がある。
体温計で熱を測ると38.7℃
体調を崩すことがほとんどないから、冷感ジェルシートが家にはない。
かと言ってこの状態の子供を家に一人残して買いに行くのは気が引けるので、タオルを水で濡らして額に乗せた。
朝まで何度もタオルを乗せ直したが、健闘虚しく、朝には40.3℃まで上がってしまった。
熱が高くて心配だ。
救急車は呼べない。
あいつに頼むしかないか。
「もしもし 奏斗?」
「慧から電話なんて珍しいね!久々に僕に会いたくなったの??」
つまらない冗談を言っているのは 雨宮奏斗(アマミヤ カナト)。
小学校からの幼馴染で、医者をやっている。
「ちょっとお前に診てほしい奴がいるんだ。今から来てくれないか?」
「ん?どういうこと?病院には行った?」
「事情があって病院には行けないんだ。来たら説明する。頼む。」
「慧に頼まれちゃしょうがないなぁ。今から向かうよ。」
「ありがとう。」
電話を切ったとき、寝室から何かが落ちたような音がした。
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