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おいしい?
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寝室に戻り、りつにスプーンを持たせたが、りつはそれを不思議そうに見つめるだけ。
スプーンも、分からないのだろうか。
「スプーンはこうやって使うんだ。」
雑炊を掬って一口食べて見せる。
りつも真似して掬おうとしていたが、手にあまり力が入っておらず、食べられないようだった。
まだ体調も良くないし、俺が食べさせてやろう。持つ練習はまた今度でいい。
りつの器を持ってスプーンを口に近付ける。
「りつ、口開けて」
「ぁ...」
りつが口を開けたので雑炊を口に入れてやる。
「美味いか?」
「...はじめて、ほわほわする。おいしいくない。」
おいしいくない??不味いという事だろうか?
俺も食べてみるが普通に美味しい、と思う。
りつの表情に大きな変化はないが、少し嬉しそうには見える。
「りつ。不味いか?」
「まずい、わかんない。」
その後3口程で満腹になったようで、器を片付けた。
少しだが、食べられたのは良かった。
『おいしいくない』と言っていたが、美味しそうに食べていた。
もしかすると、美味しいという意味も間違って覚えているのかもしれない。
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