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身元
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それから絵本を読みきかせ、病院食を食べさせ、眠ったりつを眺めていると、面会終了時間になった。
「明日も来るな」
そう言って頭を撫ぜてそっと病室を出た。
「慧、丁度良かった!ちょっと今からご飯行かない?」
病室を出たところで奏斗に声をかけられた。
「俺はいいけど、仕事はいいのか?」
「平気平気!休憩だよ〜」
こうして二人で晩飯を食べることになった。
ハンバーグ屋に着いて、席に座る。
「りつくんについての話なんだけど。」
奏斗が急に真面目な顔で言う。
「何だ?」
「りつくんの身元がわかった。」
「え??」
わかるものなのか?どうやって?調べてくれていたのか。
「名前は望月凛月(モチヅキ リツ)。現在の年齢は20歳。
誕生日は2月14日。両親は凛月くんが4歳の時に離婚。
父親に引き取られて、その後父親が再婚したらしい。
幼少期から虐待を疑われていて、保健所の人も何度も凛月くんの家に訪問してたみたいだよ。16歳の時に救急車で搬送されたことがあって入院したけど、ある日行方不明になったらしい。誰かに連れていかれたのか、自分の意思だったかはわからない。」
「望月、凛月、か...色々調べてくれたんだな...ありがとう。」
「良いよ、じゃあ今日は奢りね!」
俺の奢りが決定した。
奏斗には感謝しかない。
ハンバーグを食べながらしばらく雑談をした。
「凛月くんはどんな感じ?ちょっとは慣れた?」
「ちょっとはな。度々悪夢を見て泣いたり、風呂を酷く怖がったりする。心の傷が深そうだ」
「そっかー、傷も多かったし、相当酷い虐待を受けてきたんだろうね。カウンセリングとかどうかな?いいカウンセラー紹介するよ」
「凛月に話してから決めようかな、ありがとう」
なぜか奏斗がニヤニヤしている
「慧なんか変わったよね、凛月くんのお陰なのかな?ありがとうなんか言われてちょっと身体がムズムズする笑」
「...うるせぇな」
「凛月くんに感謝しなきゃだね〜。さ、そろそろ戻らなきゃ、また明日ね」
「あぁ、また明日」
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