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退院
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翌日の朝早く、奏斗から電話がかかってきた。
「もしも「慧!急いで病院に来て!!」...は?」
「なんだよいきなり」
「凛月くんが大変なんだ!はやく!」
それだけ言って電話を切られた。
とりあえず急いで病院に向かうと、凛月の病室がなんだか騒がしくなっていた。
「やあっ!いやあっ!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!!ごめんなさい!!触らないで!!!神童さん、助けて!!殴らないでください!!!」
「凛月くん。大丈夫だよ〜。慧もうちょっとで来るからね。落ち着いて〜」
凛月の大きな声と、宥めるような奏斗の声。
ドアを開けるとぐちゃぐちゃになっている病室と、凛月に向き合う奏斗、為す術なく立ち尽くす看護師達と医師がいた。
「慧、早く凛月くん落ち着かせてあげて」
俺に気付いた奏斗にそう言われ、凛月の近くに行く。
「こわ...こわい...うぅ...」
「凛月、大丈夫だぞ、神童さんだぞー。」
「ぁ...しんどうさん...ひっ、ひっく...」
凛月が泣きながら俺に抱きついてきた。
その身体はブルブルと震えていた。
「...また、つれてかれる?こわいっ...こわい...びょういんやだぁ...」
「怖くないよ、大丈夫だからな」
また、というのは以前の、突然いなくなったってときの話だろうか。
凛月を落ち着かせて、医師から、検査を受けたらもう退院して良いと言われた。
昨日は腫れが残っていた顔も、今日はすっかり元通りだった。
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