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本屋に到着して、車を降りる。
凛月が俺の後ろをちゃんとついてきているのを確認してから店に入った。
「凛月は欲しいものないか?」
「ぼくの、ほしいもの......」
「絵本でも見に行くか?」
「いいの...?」
「ああ、いいぞ、じゃああっち行くか」
絵本が並ぶコーナーへ向かう途中、凛月が俺の服の袖を掴んできた。
「ん?どうした?」
振り返って聞いたが、凛月は何も答えない。
人が怖いのだろうか。
少しずつ慣れていかないとな。
とりあえず凛月の手を握ってやる。
凛月は俺の手をぎゅっと握った。
「...神童さん、ぼく、これ好きなの」
「手か?」
「うん、これ、安心なの、大丈夫になるの」
手を繋ぐと安心するようで、手を繋いで本を見て回った。
「凛月、気になるのあるか?」
「これ、奏斗さんにもらった絵本なの」
同じものが家にあるらしい。
確かに、奏斗にいっぱい貰ったもんなぁ。
「ぼく、やっぱり字の本でいいの」
「絵本はいいのか?」
「おうちにいっぱいあるの、今はいい」
「そうか、じゃあ学習帳だけ買って今日は帰ろうか」
「うん」
「ひらがなの練習からかな。この本でいいか?」
「ひらがな、かくの、ふふ」
これでいいらしい。
学習帳が嬉しいのか凛月はにこにこしていた。
凛月に本をレジまで持っていかせて、「おねがい、します」と言った凛月に、レジのお姉さんはにこにこしながら「はーい」と言った。
凛月は、レジのお姉さんは怖くないようだった。
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