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車
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「んんぅ、はぁ、う...」
車内に凛月くんの辛そうな声が響く。
後部座席に身体が横向きになるように寝かせ、慧から貰ったタオルを凛月くんの頭の下に敷いた。
少しでも刺激を減らそうと、もう1枚のタオルで目と耳を覆った。
凛月くんは車の揺れも痛いようで、車が揺れる度に呻いている。
「あ"ぁっ、ひ、い"い"...」
「慧、もうちょっとゆっくり行ってくれる?揺れが痛いみたい」
「けどっ、急がないと凛月が!」
「焦る気持ちはわかるけど、今は多少落ち着いてる。凛月くんの苦痛を少しでも軽減してあげたいんだ」
「...じゃあ、ちょっとだけ速度落として行く...」
「ありがとう」
病院に向かってる、と父さんに連絡をすると、わかったとだけ返ってきた。
病院に着くと、入口付近にストレッチャーを用意して、何名かの看護師が待機してくれていた。
「雨宮先生、ここに乗せてください!」
看護師は物凄い速さで処置室へ運んでいく。
凛月くんはその揺れでまた呻き声をあげる。痛みからか、ギュッっと閉じられた目からはポロポロと涙が出ていた。
脳に何か異常があるんじゃないかと感じたため、検査室が空き次第MRIの検査をしてもらえることになった。
とりあえず痛み止めと、脱水症状もあったため点滴をして用意されていた個室に移し、まだ発熱はしているものの、今は穏やかに眠っている。
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