アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
結果
-
さっきの医師が病室に入ってきて、結果を聞く。
「先程の検査中、凛月くんは痛いと叫んで気を失いました。MRI検査の機械音が響いたんでしょう。検査結果ですが、凛月くんは脳炎を引き起こしている可能性が高いです。」
「脳炎?」
「はい。本当は髄液検査もしたいのですが、凛月くんの状態が悪いので、髄液検査より先に薬を投与して様子を見ます。」
「そんなに悪いんですか...?」
「痛みも激しいようですし、痙攣も起こしています。認知症のような症状まで出てきていますので、一刻も早く治療を開始しないと後遺症が残る可能性もあります」
「そんな...」
「記憶障害や言語障害、身体が麻痺してしまう可能性もあります。脳が炎症を起こしているので、最悪の場合死に至る事だってあるんです」
あまりにも酷い結果に血の気が引いた。
「大丈夫だよ慧。すぐ治療を始めればきっと治るよ」
「凛月を、治してやってください」
「最善を尽くします」
医師が凛月に点滴を打って、「凛月くんが起きるか、点滴が終わったら呼んでください」と言って出ていった。
「大丈夫。凛月くんは強いから」
俺が凛月に言っていたように、奏斗が俺に"大丈夫"と言う。
「強くない...俺が守ってやらないと...」
凛月は脆くて弱い。
強くなんてないじゃないか。
検査でもこんなに泣いたというのに。
「最初に会った時だって傷だらけだったけど、回復したでしょ?今回だって耐えられる。僕も頑張ってサポートするから」
奏斗にこうやって助けられるのは、もう何度目だろうか。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
81 / 190