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なりたい
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起きたら薄暗いおへやにいたの。
何回か神童さんに会えた気がしたんだけど、夢だったのかな。
神童さんをいいこいいこしたのをぼんやり覚えてた。
そういえば、奏斗さんにも会った気がする。
何もかもぼんやりしてるけど。
夢ってしあわせだなあ。
あたまがいたくてたまらなくて、ずっと叫んでた。
ちょっと前からは、いたすぎてもう何も考えられなくなってたのに、今は叫ぶほどじゃないの。ふしぎなの。
いたいのに慣れたのかな。
そうだといいな。
いたいのに慣れたら、もういたくて叫んで、うるさいってお仕置きされることもなくなるの。
そしたら、いい子っていっぱい褒めてくれるのかな。
ああ。だめだ。ぼくはこわがりだから。
こわがりだから、いたくなくてもこわくて泣いちゃうんだ。
おにんぎょうさんになりたかった。
おにんぎょうさんになったら、いたくて泣くことも、こわくて泣くこともないのにな。
ごしゅじんさまは、ぼくをおにんぎょうさんにするって言ってたの。
でも、まだ、おにんぎょうさんにはなれてない。
ごしゅじんさま、ごしゅじんさま...
「っひ、、、」
ほら、思い出すだけでこんなにもこわい。
いつかえってくる...?
逃げたい。こわい。
やだ。もういやだ。
身体をがんばって動かそうとするのに、全然思うように動かない。
これじゃ逃げられない。
いつか必ずくるいたみがこわくて、ぼくは声を出さないように泣いた。
「凛月、どっか痛いのか?落ち着け。」
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