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凛月の恐怖
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「ただいまー。慧、ちょっと凛月くんの気逸らしといて」
奏斗にそう言われ、凛月に話しかけていた。
消毒される時にビクッとしたがそれも一瞬で、パニックになることはなかった。
「凛月は帰ったら何がしたい?」
「...かえれるだけでいい、かえれるだけでうれしいの...」
「...凛月はもっとわがままを言えるようにならないとな」
そんな話をしていると、奏斗に「終わったよー」と言われて驚いた。
「早くないか?すごいな」
「まあ刺すだけだからね〜。凛月くん、頑張ったね、終わったよ」
凛月は不思議そうな顔をしている。
どうやら針を刺す痛みも感じなかったらしい。
俺にはヘラヘラしてるだけのように見えていたが、奏斗は腕のいい医者なのだろう。
「口の中気持ち悪いかもしれないけど、濯ぐのはやめておこうか」
凛月に目をやると、凛月は眠そうに瞬きを繰り返していた。
「眠いなら寝ていいんだよ。吐いて疲れちゃったね」
「いやなの、みんないなくなっちゃう...」
自分が寝てる間に1人になるかもしれないのが怖いのか。
誘拐されている間、凛月はずっと1人で戦っていたのかと思うと辛くなった。
「1人にしないよ。安心して」
「ねたら...みず、こわいする、、」
寝た時も暴行を受けていたのだろうか。
「手握っといてやるから、今は寝とけ」
そう言って手を握ってやると、限界だったらしく「ん...」と言いながら凛月はすぐ眠った。
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