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火早野と映画を観に行く約束をした次の日。
いつもと同じ様に
昼休みに入ってすぐ弁当を持った火早野が
俺の席まで嬉しそうによってくる。
そして、毎日同じセリフ。
「水本、話があるんだけど。いい?」
火早野は飽きないのだろうか。
毎日告白して、その度に振られる。
振られると分かっていたとしても
毎回断られたら誰だって傷つくと思う。
なのに、今日もまた嬉しそうに笑っている。
どっちにしろ、
俺はこいつが本当に諦めるまで
断り続けるつもりだ。
やめてくれ、と言えないのは
火早野と話すのが楽しみになっているからだろう。
友達だったらいいのに。
今日、提案してみるか。
「おーい、水本。呼び出し!」
火早野について行くため席を立ったとき、
入り口近くにいた同じクラスの男子に呼ばれた。
目線を向けると、
恥ずかしそうに下を向く女の子がいた。
あぁ、またあれか。
「火早野、ちょっと行ってくる。」
「え?…あ、うん。」
「弁当、預けてもいいか?」
「え!もちろん!持つ持つ!」
「体育館裏、先行ってろ。」
「お、おう!」
火早野に弁当を預けて
女の子の方に近寄った。
「あ、あのっ、水本君。話したい事があるんだけど、今いいかな?」
「うん、いいよ。」
行こう、と促すと嬉しそうに歩いて行く。
あぁ、やっぱり、女の子は可愛いけれど、
好きになんてなれない。
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