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教室に来ていた女の子は一つ下の1年生。
俺はこの子を一度も見たことがない。
なのに、頬を赤くして好きだと言う。
黒髪の清楚な女の子。
確かに、可愛いと思う気持ちがあるのに
好きだと思わない。
付き合って、手を繋いで、キスをして、その先を、なんて
微塵もしたいと思わない。
生産性のない行動をしてどうするのだろう。
まぁ、子孫繁栄とかはあるだろうけれど、
それは別に、高校生の俺達がするべき事とは思えない。
今回もまた断ったけれど、一つだけ聞いてみた。
「俺が好きっていつ、どうやって気づいたの?」
何か国語の問題みたいな質問になってしまった。
女の子も戸惑っている。
仮にも好きな人に、こんな質問されたら
答えるのは難しいよな。
女の子の顔は
振られた悲しみの表情と
聞かれた質問の内容に対する恥ずかしそうな表情が
混じっている。
「…い、一度も話したことは無いですけど、校内で何度か見かけたときに、かっこいいなって思ったときです。」
それは、つまり、
中身ではなく顔なのか。
好きって顔からでもいいのか。
なんだろう、この寂しい気持ちは。
結局「好き」なんて薄っぺらいものなのだろう。
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