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少し、喋りすぎてしまった。
余計な事まで口走った気がする。
「水本、何かあった?」
「……別に何も。」
「無いわけない。無いならそんな風に思ったりしない。」
火早野の声が少し強くなった。
予鈴が鳴る。
「本当に何もない。さっさと戻るぞ。」
「そんなに言いたくないのかよ…。」
「何だっていいだろ。授業に遅れる。」
俺は弁当を片付けてから立ち上がった。
教室まで歩き始める。
「待って、水本。」
「なんだ。」
俺はその場で止まって後ろを振り向いた。
火早野は真剣な顔でこっちを見ている。
「言いたくないなら言わなくていい。
でも、俺が教える。
『好き』は暖かいよ。」
「…あっそ。」
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