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映画館当日
俺は集合場所である○△駅のホームの端に立っていた。
時計を見ると、待ち合わせから5分過ぎている。
生憎だが、俺は火早野の連絡先は持っていない。
待つのが面倒になって帰ろうかと思ったとき
数メートル先から大きく手を降って走ってくる火早野が見えた。
「ごめん!遅れた!ごめんね!」
「うるせぇ、目立ってるから静かにしてくれ。」
「はい」
本当に急いで来たのだろう。
セットしてきたと見られる髪は
風で少しボサボサになっていた。
額には汗が滲んでいる。
「髪、ボサボサだぞ。」
そう言って、火早野の前髪を整えてやると
真っ赤な顔でこちらを見ていた。
「ん?どうかしたか?」
「水本ってさ、天然タラシだよね。」
そう言われ、はっと気づく。
「あぁ、すまん。何も気にしてなかった。」
「別にいいよ。俺は嬉しいし!」
満面の笑みを浮かべる火早野の足を軽く蹴り、
俺は映画館に向かった。
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