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番外編
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小学5年生の時、
両親が離婚した。
その頃から、段々と生活が変わったんだと思う。
母親は俺を性的な目で見ていた。
見ていたというより、
まだ小学生の俺に性的な行為を強要してきた。
俺が父親に似ていたから。
恐怖でしかなかった。
母親に組み敷かれ、見下ろされることが。
あの人はいつも、俺の上に乗って腰を振る。
そして、俺の顔を撫でながら
父親の名前を何度も呼ぶ。
もう、俺自身を見てくれない。
辛くて、悲しくて、大嫌いだと思っていた。
結局、それは中学2年生まで続いた。
母親が自殺したから。
リビングに死体があった。
真っ赤な包丁が近くに落ちていて、
辺りが血だらけだった。
机に俺宛の手紙を見つけた。
真っ白な紙に一言だけ。
『ごめんね』
何に対して謝っているのだろう。
死んだこと?
セックスのこと?
離婚したこと?
それとも全部?
どっちにしろ、全て母親が自分で壊したんだ。
だから、ごめんね なのかもしれない。
無償の愛なんて小学5年生まで。
父親はあの人が死んだときも会いに来てはくれなかった。
何故かとても、俺自身が中身の無い人間に思えて怖い。
透明人間にでもなった気分だ。
大嫌いだと思っていたのに、
母が死んだことはとてもショックだった。
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