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「ずっと好きでした!付き合ってください!」
昨日の女の子と同じセリフを言って
お辞儀しながら握手を求めてくる男。
ため息が出そうになる。
俺は恋愛感情が分からないだけで
女の子が好きなんだけど。
なぜ男。
おい、目の前の握手を求める男よ。
なぜ俺?
「えーと、知らない人と付き合うのはちょっと…。
それにあんた、男だし。」
「知らない?!知らないの?!
俺だよ!俺!火早野 光!!1年のときからおなじクラスだけど??!」
オレオレ詐欺かよ。
なんだろう。
無駄に元気でうざいな。
そんな大きな声出さなくても聞こえる。
なんでこいつ
女子に人気なの。
やっぱり顔か?
「知ってるから、静かにして。」
うわ、俺すげぇ失礼なこと言ってるわ。
知らないフリしたから
火早野は親切に教えてくれたのに。
ちょっと怒るかな?
「あ、えっと、ごめんね?」
無駄に小さい声が返ってくる。
火早野の顔を見ると
少し赤くて、口元を手で押さえていた。
なんだ、こいつ。
「あのさ、俺、男は恋愛対象じゃないから付き合えない。」
いつも通り、とはちょっと違うけど
告白は断った。
付き合える訳がない。
女の子とだってこういうのは分からないのに
いきなり男はハードルが高すぎる。
別に、人と付き合ったことがないわけじゃないからな。
それこそ、好きになろうって努力しようと告白をOKしたことだってあった。
まぁ、長続きはしなかったけど。
とにかく、男は流石に無理だ。
女の子も無理だけど。
「え?!え!少しもダメ?ちょっとだけでもダメ?
俺、水本のこと1年の時からずっと好きで、
お前よく女の子に告白されてるだろ?
最初はしょうがないよなって思ってたけど、
水本が誰かの彼氏になるのを想像したら、なんか悲しくなって、俺だけのものになればいいのにって思うようになって、だから、その、付き合ってください!!」
なんだろうな、
こいつは多分馬鹿なのかな。
少しとか、ちょっととか、何が?
俺のものにって
男が男に言われて嬉しいわけ無いだろう。
はぁ。
「無理だ。」
「…どうしても?」
そう言った俺を見て
ものすごく悲しそうにする火早野。
そんな顔をされても困る。
「どうしても。」
これだけ断れば
流石に諦めるはずだ。
「じゃぁ、また明日にする。」
「そうか。
ん?」
「またな!水本!!」
…………………………………………うん。
何も聞かなかった。
な?
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