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ここは
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冥善組の拠点である大きなその家に着き、帳は次は遥に抱えられながら玄関の戸が開かれた。
そこには「お帰りなさいませ、若」と頭を下げながら言う、2人の男性がいた。
「先風呂に入る。準備してくれ」
「かしこまりました」
ペコッと一礼し、2人はそそくさと風呂場へ行ってしまった。
「っ…んっ、」
「起きたか」
「!?ぇ、ちょ、と!はなして、くださっ!!」
「大丈夫か?」
遥の腕の中で目を覚ました帳は、見たことの無い顔に恐怖を覚え暴れようとしたが、腰が痛み、その痛みに悶絶する。
「はるちゃん、はるちゃん」
「なんだ?」
咄嗟に美琴が遥の背中を指先でトントンと呼び出した。
「空き部屋あったでしょ、お風呂入るまでそこに居させたら?」
「……あぁ、そうだな」
遥は一瞬迷ったが、腕の中で怯えて震えている帳を見て了承した。
(ここはどこなんだろ…姫崎さんはいない……それにこの男の人、イカついな……)
部屋へ運ばれている間、帳は遥を見ながらそんなことを考えていた。
「着いたぞ」
「ひっ!!ぁ、ご、ごめ、なさっ……」
「気にしなくていい。ここで少し落ち着け」
「っ……はぃ……」
その部屋には何も無く、ただ床の間に掛け軸がかけられているだけ。置物も何もない。
「じゃあな、ここは好きに使え」
「はい……あ!あり、がとうご、ざいます…」
そう言って遥はその場を離れていった。
「はぁ、あ、ここどこか聞くの忘れてた……」
帳はそう言って重たい体を入口とは反対側の扉に持っていった。
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