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庭
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体をずるずると引きずりながら、帳は入口と正反対の位置にある襖を恐る恐る開いた。
するとそこにはもう一枚、ガラス製の扉があり、帳はそれをガラガラという音を立てて開いた。
そこから顔を出したのは、丁寧に手入れが施された綺麗な庭だった。
帳の目線の先には大きな池があり、その中を数匹の鯉が自在に泳いでいる。池の右には大きなしだれ桜、左には藤の木が、地面につくかつかないかの瀬戸際に佇んでいた。
「綺麗…」
そんな幻想的な風景を見て、思わず言葉が零れる。絵本や漫画などで和風建築によくありがちだと見たことはあったが、実際に見るのは初めてだ。
そうして帳がオットセイのような格好で庭を見ていると、フッと目の前が暗くなった。そして、気づいた時、帳は白い天井を見ていた。
「あっ……」
「風呂だ。行くぞ」
「っ、は…い」
自分と天井の間にある顔を見て、帳は緊張で動けなかった。元々腰が痛くて動けなかったが、緊張はそれをも上回るみたいだ。
風呂に着くなり、遥にタオルを剥ぎ取られ、抱えられたまま湯船に入れられた。
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