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あーあ
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美琴と小野の話し声のする方へ向かった遥は、足音ひとつ立てず、廊下を歩く。
屋敷内と言えど、この家は大きい。
彼らの声のする方へ行くのにも数分かかる。
ふたりのいる部屋の前に立つと、遥はなんの躊躇もなく襖を開けた。
「!?!?」
「え、は、はる…ちゃん………?」
小野は驚きで声が出せず、美琴は顔をこちらに向けながらひきつらせている。
「な、なんの御用ですか…?」
「……」
「なんか喋ってよ……」
美琴がそう呟いたからだろうか、遥は口を開いた。
「はぁ……お前ら」
「「はい」」
「少しは声の音量落とせ」
「あっ、聞こえてた…?」
「丸聞こえだ」
無意識か、土下座の体制になった2人の頭に、遥は手を乗せた。
大きく、ガタイのいい男の手。小野にとっての理想、美琴にとっての希望の手。
威圧感はあるが、若頭の威厳というものなのか。逆らう気にはなれなかった。
「「すみませんでした…」」
「まあ、後で帳にも謝っとけ。美琴が殺し屋だってことは分かっただろうから、怖がってるかも知んねぇが」
「はぁーい」
これで一件落着?したようです。
遥が部屋に戻ると、相変わらず帳は庭を見ていた。
(そんなにこの庭が好きなのか…?)
そう思いながら、遥は帳の後ろまで行き、後ろから優しく抱きしめた。
すると、帳の体がぼぼぼっと熱くなっていった。
そして、ずっしりと腕に体重がのしかかったと思うと同時に、顔を真っ赤にした帳が倒れ込んできた。
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