アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
5
-
(怖い。どうしよう。苦しいことしたくないっ)
昨日のお仕置きの恐怖から足が鋤くんだ。
目頭がじんわりと熱くなり、ポロポロと涙が落ちる。
着いたら場所は、昨日お仕置きとして浴槽に頭を押し付けられたお風呂場だった。
「い、いやっ…ごめんなさ…っ」
首が絞まるのもお構い無しにお風呂場から逃げようと、振り返って走った。
鎖を腕に巻き付けるように持っていたひろとさんが、鎖を引き寄せる。
「秋!」
強く名前を呼ばれ、ビックリして腰が抜けてしまい、その場に座り込んだ。
毛布を盾にして近づくひろとさんを遮る。
毛布を取られ、腕が伸びて来た時には意を決して目を固くつぶり、顔の前で腕をクロスさせて衝撃に備えた。
そっと頬に添えられた手に驚き、恐る恐る目を開けると、優しく微笑むひろとさんがいた。
「そんなに怯えなくてもいいよ。悪い子しなければお仕置きはしないから。ね?」
頭を優しく撫で、涙で濡れた頬を指で拭った。
「さっきみたいなことしちゃうと首が絞まっちゃって苦しいでしょ?」
首輪を鎖ごと外し、絞め跡の付いてしまった首をなぞる。
「逃げたりとか、実際に他の男と二人っきりで会ったりとかしなければ苦しいお仕置きはしないから安心して」
涙も止まり、落ち着いてきたタイミングを見計らって手を差し伸べられた。
なんとか立ち上がり、毛布をひろとさんが持って浴室に戻った。
「まだ秋お風呂入ってないでしょ?夕飯、あとは煮込むだけだから一緒に入ろ。」
お仕置きがないことに安堵し、おとなしくひろとさんが服を脱ぎ終わるのを待った。
「あ、の…ごめんなさい……勝手に勘違いして逃げちゃって…」
「いいよいいよ。お仕置きでここ使ったんだからトラウマになっちゃうよねそりゃ」
手を繋いで入り、洗ってあげると言われた。
大人しく従い、これまでのことを整理した。
(逃げたり、ひろとさんの嫌なことをしたりしたらお仕置きで、それ以外は大人しく甘えればいいのか)
考えがまとまる頃には、俺は洗い終わって湯船に入るところだった。
(お仕置きの時は冷たかったけどちゃんと暖かい)
向き合うように浸かり、甘えるように彼の筋肉にべたぁとくっついた。
「甘えん坊さん」
濡れてかき上げた髪の毛をくるくると弄られながら、お風呂から上がるまでの間幸せな時間を過ごした。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
5 / 82