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「おいしい?」
こくこくと何度も頷く。
お風呂から上がり、煮込み終えたカレーを食べている真っ最中だ。
「その格好やっぱ可愛い」
お風呂からあがって渡された着替えは、着ぐるみパジャマだった。
猫の着ぐるみパジャマで、フードとしっぽも付いている。
カレーを頬張る俺をスマホ片手に写真を撮っていた。
「秋ってほんと美味しそうに食べるから作りがいあるなぁ」
怯えた一件があってからひろとさんは格段と優しく、甘くなった。
あの事が相当堪えたのだろうか。
拘束も首輪と鎖だけになり、今は椅子の足にくくりつけられている。
(大好きな人と二人っきりって結構幸せだ)
夕食も食べ終わり、鎖をひろとさんが取って何故か抱き抱えられ、ソファーへ向かった。
「よいしょっと」
膝上に乗せられ、お腹に腕を回される。
その上から手を重ねると、両方とも恋人繋ぎになった。
少し恥ずかしくてモゾモゾと動いた。
「んー…可愛い。」
俺のうなじ辺りに顔をうずめて言った。
髪の毛が当たってくすぐったい。
「ひろとさんもかっこいい」
「ほんとぉ?嬉しい。」
本当にひろとさんはかっこいいと思う。
染めた形跡のある色素が抜けた茶色の髪の毛に、ほっそりとしているがスタイルのいい体。顔も申し分なくイケメンの類いだ。
細くてちびで、髪の毛も真っ黒な俺とは大違いだ。
「俺もひろとさんみたくかっこよくなれたら…」
「秋はそのままが一番だよ。秋のそのままを一番愛してる」
そういってうなじにキスをした。
「俺もひろとさんが一番」
どんなに酷いことをされようが、お仕置きをされようが、ひろとさんが俺のことを好きでなくなっても、俺の中の一番はきっと常にひろとさんだけだ。
「ねぇ秋」
「?」
「ここ、一生消えないような噛み跡付けてもいい?」
ひろとさんが舐めたのは丁度首の後ろ側だった。
「…いたい……?」
「結構痛いかも」
「いたいの怖いからやだ…」
もう自分に非のある刺激はトラウマと化している。
「じゃあピアスは?ピアッサー使えば痛くないし」
「ピアス…」
少し興味はある。何故ならひろとさんの耳に何個か付いてるからだ。
「…つける」
「そう?じゃあ明日仕事帰りに買ってくるからいい子で居られる?」
こくりと頷き、恋人繋ぎにしていた両手をぎゅっと握った。
「ふぁぁぁ………もうそろそろ寝ようか」
時刻は既に11:00だ。
俺をまた抱き抱え、ベットへと運んだ。
一日中ひろとさんと居たからか、一人で寝るのは寂しい。
「ひろとさんと一緒がいい…」
一瞬驚いた顔をした気がしたが、すぐいつも通りに戻った。
「んー…俺の部屋に金具ないからなぁ…」
壁の突起のことだろうか。
「寝てる間ずっと抱きつくから、ひろとさんも俺が逃げないようにずっとぎゅーってしてれば安心だよ」
(まぁ自分が抱き締められながら寝たいだけだけど…)
疑いの目を向けたが、諦めて自分の部屋に連れていった。
一週間監禁されていたうちのほとんどはあの部屋で過ごしたため、他の部屋を見たこと無かった。
きれいに掃除された、ブラウン基調の家具が並んでいる。
「じゃあ寝ようか」
ベットに横たわり、布団をかけて電気を消す。
「はい、ぎゅー」
足も絡めてきた。少し冷たい。
彼の心臓の音と共に、体温に安心して眠りについた。
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