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なんだか騒がしい。
誰かが言い争っているような声が聞こえる。
目をうっすらと開けると、その声がはっきり聞こえた。
「アツ!待てって!」
普段大人しい柚希さんの、大きな声にビクッとなる。
「どうせ僕よりも秋君みたいな小さくて可愛い年下の方がいいんだろっ!無理に付き合わなくていいよ!!」
「そんなわけないだろ!」
「じゃあなんでっ!」
「ちゃんと理由があるんだってっ」
伍さんが涙ぐんだ目で玄関を飛び出していってしまった。
「あぁっ、くっそっ……」
頭を掻き乱して荒れている柚希さんは少し怖い。
「……秋クン。ごめん。起こしちゃった」
「い、いえ…俺は別に…」
「ちょっとアツ君探してくるから」
そういって玄関から出ていった。
(なんであんなに言い争ってたんだろ…)
膝枕が原因だとしたら、俺も謝らなくてはいけない。
そう考えながら2人の帰りをまった。
ガチャっと、玄関のドアの開く音で目を覚ます。
どうやらソファーで寝てしまったようだ。
時計を見ると、既に日付が変わっていた。
玄関を覗くと、泣き腫らした顔の伍さんと柚希さんがいた。
バレないように自分の部屋へ行き、ドアをそっと閉めた。
俺は邪魔だろうと思ったからだ。
布団に入り、また寝直した。
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