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「な…お……」
(なお?)
時刻は午後10:00。
ひろとさん抜きで晩御飯を食べ、各々寝る支度を済ませてきた時間帯だ。
『あの部屋借りていい?アツ君とエッチしたい』と柚希さんが言ってきたので、二人には元々寝泊まりしてもらっていた空き部屋を貸している。
もちろんその言葉の後、何も知らないお風呂上がりの伍さんは部屋に誘拐された。
お陰でリビングはとても静かだ。
たまに上から喘ぎ声やベットの軋む音が聞こえるが、テレビの音量を上げて聞こえないふりをした。
「…もう疲れたよ」
ついボソッと口に出して言った。
「大学の授業は少し難しいし。ひろとさんは入院したし。しかも電車で痴漢にあうし。癒しが欲しい」
頭を撫でながら愚痴を溢していると、ひろとさんの頭が上がった。
「……ちかん……?」
「あ……いや、その………なんでもない…です………っていうかいつから起きてたの…」
「『もう疲れたよ』の辺りから」
つまり最初からだ。
「はぁ~~………」
大きくため息をついて前に倒れる。
「秋痴漢されたの?」
背中をさすられながら問われる。
「……ん。前に一回だけ。今は旭日と一緒に大学行ってるから大丈夫」
「…旭日って誰」
背中をさする手が止まる。
慌てて友達だと説明すると、またさする手が再開した。
「何かあったら言ってよ」
「わかってるって」
ひろとさんの分の晩御飯を温め、テーブルに運ぶ。
「どうぞ」
「いただきます」
隣の椅子に座ってひろとさんの伸びた髪の毛に触る。
「んぅ?」
口をパンパンにしたひろとさんがこっちを向いた。
「髪伸びてる」
「きいにいははひゃね(切りにいかなきゃね)」
「俺も髪の毛バッサリ切ろうかな」
自分も中々に伸びてきている。
「えー。秋は柚希くんよりももうちょっと伸ばして欲しい」
「やだよ…暑いじゃん」
これからどんどん暑くなるのだ。
「まぁ秋のしたいようにすればいいよ」
食べ終わったお皿をまとめ、流しに置くと俺を背中から抱き締めた。
「ところでさ、さっきから聞こえる上の喘ぎ声ってあつむだよね」
「……ソウデス」
「…別に怒ってないって。二人とも秋の面倒見させてたから溜まってるんでしょ」
そういって俺の頬にキスをした。
「なに?エッチしたくなっちゃった?」
控えめにこくりと頷くと、ふふと笑って俺の手を引いた。
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