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「きっと俺があんな重いことしたから。お前の将来のためとか言って別れようなんて言われて。気付いたら首を軽く締めてた。あいつがずっと俺の名前を呼び続けてくれたお陰で正気に戻れた。」
涙に気付いたひろとさんが、腕で乱暴に拭った。
膝だちになってそっと手で涙を拭ってあげると、もっと涙が溢れてきてしまった。
「秋を奈央みたいに殺しちゃったらどうしようって。また別れようって言われたらどうしようってずっとずっと考えてた………っ」
「……俺はずっとひろとさんといるよ。ひろとさんがそれだけ愛してくれてるのが嬉しい。絶対に別れないし、絶対に離れない。ずっとずっと一緒。」
頬に手を添え、おでこを合わせて言った。
「あきぃ……っ……」
強く、だけど優しく。涙で濡れていく肩を気にすることもなく、ひろとさんを抱き締め返した。
「…もうろそろそろ下行きたい」
「…ん………」
ベットから降りると、後ろからひろとさんが抱きついた。
「歩きにくい…」
というより、さっきのお仕置きで足の自由があまりきかない。
たまにカクンと膝を折りながらも、なんとかリビングについた。
「お、仲直りしたの?」
「すごいひろさんべったり」
「ちょっと助けて…」
柚希さんに支えられながら足を動かし、ソファーに座った。
「ん"ーっ、秋は俺のっ」
威嚇するように唸り、ひろとさんが全身を使って俺を抱え込んだ。
「そんなことしなくても俺はアツ君いるし」
そういってテレビを見ていた伍さんを横から抱き締めた。
「…ねぇ…このニュース……」
ついていたテレビは、いつの間にかニュースに変わっていた。
伍さんの声に、みんながテレビに注目した。
『今世界で話題を呼んでいる、“同性同士での妊娠”が注目を浴びています。政府は先週、アメリカの研究施設で、同姓同士でも子供をお腹に宿せる手術と薬が開発されたとについて、「日本でも研究をすすめ、安全で確実であると判明した場合には使用を認める」と発表しました。SNSでも反響が広がり、政府は一週間以内に考えをまとめるとしています。』
リビングが静まり返り、誰も息すらしていないほどの静寂が流れた。
「にん…しん……」
「ごめん…ちょっと内容が入ってこない…」
「……秋と俺の赤ちゃんが産めるってこと……?」
「ひろとさんとの…赤ちゃん……」
4人とも放心状態でじっとテレビを見ていたのであった。
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