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◇
「どのようなデザインをお探しですか?」
仕事帰り、指輪を買いに専門店へ寄っている時だった。
「んー…特には決まってなくて。おすすめってありますか?」
「はい!御座いますよ。お席へご案内しますね」
奥の席へ案内され、店員が戻ってくるのを待つ。
(秋も大学があるだろうし、あんまり派手じゃないのがいいかな)
そんなことを考えていると、指輪を乗せた薄めの台を持って店員が戻ってきた。
「こちらが当店で人気の高いお品ものになります。」
リングが捻ってあるものや、シンプルに真ん中で宝石が輝いているもの、そして派手に小さなダイヤがちりばめられているものもあった。
「これ系統のものって他にありますか?」
リングが捻ってあるものを指差し、店員に問うと、「少々お待ちください」と言ってまた戻っていった。
その時、スマホが短く鳴った。
『ひろとさんいつ帰ってきますか?』
LINEだと敬語なのがまた少し面白い。
「今日は少し残業があるから遅れるよっと…」
送信ボタンを押すと同時に店員が戻ってきた。
「お待たせしました。こちらになります」
捻ってあるものにもデザインが沢山ある。
(直感でこれだって思ったやつは間違いない)
じっと見つめ、ふと目に止まって気になる指輪を見つけた。
「…これって…」
「それも人気の高い指輪ですよ。シンプルかつおしゃれなので幅広い年代の方に好評をいただいてます。」
「……じゃあこれで。」
指輪を決め、イニシャルや完成予定日などを確認し、万単位のお金を払って店を後にした。
「ただいまー」
「おかえりなさい!」
なんて幸せなんだろう。目の前には可愛い着ぐるみパジャマを着た恋人がいて、リビングにいくとまた二人が……
「って、二人はいつまでいるの」
ソファーでイチャイチャしているあつむと柚希君に声をかけた。
「いっそのことシェアハウスどうよって話になってる」
「……悪くないな。」
俺が居ない間の夕飯や家事もしてくれる。
「じゃあこのままでいこっか」
「やったぁー」
「今二人が泊まってる部屋上げるよ」
着替えようと二階へ上がると、秋がスーツの裾を掴んで着いてきた。
「どうしたの?」
「………」
少し顔を赤らめてそっぽを向いている。
(甘えたさんかな)
頭を優しく撫で、額にキスをして部屋へ入った。
俺のそばでじっと着替えを待つ秋が可愛すぎる。
「あきー、もう晩ご飯食べた?」
「ま、まだ。ひろとさんと食べたかったから…」
もう時刻は20時を回っている。
あの二人が食べている中、きっとお腹を空かせながらも健気に待ったんだろう。
(全く、俺が秋を晩飯にして食ってやろうか)
そんなことを考えながら、部屋着の裾を掴まれてリビングに降りた。
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