アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
55
-
結局次の日の朝になっても、下がるどころか40度まで上がった。
「伍の知り合いやらせとっただいとる薙沢っちゅう者やけど、伍おります?」
ひろとさんが病院に連れていけないと判断したため、伍さんの知り合いにいる先生を呼んだみたいだ。
「薙沢~、久しぶりだな」
「おぉ!久しぶりやね。それよりも問題の熱の子はどこにおんの?」
「私が案内しますね」
「あぁ、どうもおおきに」
階段を上がってくる音がし、布団に少し潜る。
「秋。先生来たよ」
「初めましぃ。秋くんって言うたっけ?」
見た目は茶髪でチャラそうだが、声は低めで大阪弁がなごみやすかった。
タレ目が少し童顔を主張しているが、顔はしゅっとしていて爽やかだ。
丸縁のメガネを掛けていて、博識的な雰囲気も漂っている。
「…ん…」
「辛かったら喋らんでええよ」
少し暖かい手をおでこに置かれ、ガンガンと痛む頭に目を瞑った。
「40度やったっけ?」
「はい。昨日の夜は38くらいだったんですけど…」
すると、なにやら鞄をごそごそとしだした。
「秋君少し起きれる?」
くらくらとする体を動かし、少し体を上げると背中を支えられ、なにやら薬を口に注がれた。
「解熱剤。これ飲めば少しは楽になる思うさかい」
側に置いてあった水で流され、少しずつ飲む。
「…あたまいたい……」
「氷枕やら冷えピタやらで冷やすしかあらへんな。薬飲み過ぎても効かへんくなってまうし。ご飯は食べてるん?」
ゆるゆると首を降ると、少し困った顔をした。
「う~ん…食べな治るの遅なってまうし…
好物からでもええさかい、ちょいちょい消化のええものを食べよか」
消化の良い食べ物のメモと薬類をひろとさんに渡すと、病院の診察があるからと帰っていった。
「秋は何が食べたい?」
「お腹すいてない…」
「何か食べなきゃダメだよ。口動かすのが辛いならおもゆ作ってくるから」
そういって部屋を出ていった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
55 / 82