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劣等種3
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俺は初めて東京に行ったあの日から、ずっとβと偽っていきてきた。
一般のΩの発情期抑制剤は俺達Ω[r]種には効きにくいらしく、1日何錠もの薬を飲むことになった
朝昼晩1回3錠ずつ。
だるさや倦怠感が急に来ると、それに追加して飲む。
経験すれば分かるが、Ωの発情期は辛い。
頭がぼーっとして、視界に白くモヤがかかったみたいになって、酷い時には立つことすら出来ない
それでも俺は薬を飲み続け、Ω[r]種であることを隠し通してきた。
一緒に過ごす友達にも、絶対にバレてないはずだ。
はずだった。
────────────────
決定的に俺の人生を狂わせたのは、高校2年の秋。
文化祭の前々日だったと思う。
文化祭の直前っていうのは皆忙しいらしくて。
俺達の通っている学校では、この時期に旧校舎に寄りつく人はほぼいなかった。
なんで俺はそんなとこいたんだろうな…。
いつもに比べて少し頭がぼーっとして。
やべぇな、と思ったからだ。
教室で、いつものメンバーで馬鹿騒ぎをしていた時に、そのうちの1人が言ったんだ。
「…あれ、なんか甘い匂いしない?」
気付けば人がいない方へ向かって走っていた。
友達にバレるのが怖かった。Ω[r]種だって見下されるのが怖かった。
それで走っていたらだんだん発情期が悪化してきて、倒れ込むように入った教室が旧校舎の地理準備室だったんだ。
ドアを閉めたのを確認して、ロッカーにもたれかかって俺は薬を探した。
俺はいつも予備の薬を少なくとも5錠は持っていた。
…のに。
「…?!ない、どこで落とした?!」
ポケットの中身は空だった。
抑制剤がない時は、一旦おさまるのを待つか、自分で処理して強制的におさめるか…。
俺には選択肢なんてなかった。
「はやくっ…終わらせねぇと…」
そういえば、自分で後ろを弄ったのはこれが最後だな…。
「んぅ…ふっ、ん」
そろそろ抑えられる、そんな時に。
「…で、─じゃね?─なんだけどさ、あれ、すっげえいい匂いしない?」
「確かに…これって多分、Ωだよな?」
αだ、と思った。直感で俺にはわかる。
「うわっ、この匂い強すぎね?並のΩって感じじゃねぇぞ?」
「もしかして、もしかするとΩ[r]種とかいう奴じゃね?」
「まさか。あれって地球上に1万人しかいない方らしいじゃん。仮にいたとして、どうやって隠してたわけ?」
俺はただ見つからないように身体を縮こませた。
…足音、聞こえなくなった…?
「…よかった」
「あれ、キヨじゃん」
「?!」
こんなホラーゲームみたいな展開そうそう無いと思ってたんだけどな。
「…あ、えっと…あれ!?佐藤に山下に宮川じゃん。ど、どしたの?」
「斎藤と木下と宮前だよ。いつまでそのボケ続けるわけ?全く」
「はは、悪いって…あはは…」
声が震えないように頑張って押し殺す。
怖い。αのこいつらが、俺を見つめる目が怖かった。
「キヨ?どうしたわけ?めちゃめちゃ辛そうだけど?」
「気にしないでくれたら嬉しいなーなんて…」
その時1人の腕がのび、俺の頭を鷲掴みにした。
「キヨってさぁ、Ω[r]種だろ?知ってるか、俺達αなんだよなー」
「きの、した…?」
最悪なことに、この3人は俺の1番嫌いなタイプの人間だった。
──────────────────
「くははっ、キヨいいじゃん!お前ら、これなかなかの名器だぜ?」
「さ…と、やめて、むりぃっ!」
「はぁ?俺は斎藤なんだけどっ?!」
「ぅあ"っ」
殴られて。
「はいはーい、キヨ君お口が暇そうですね?」
「んぐっ」
「あ、木下歯に気をつけろよ」
「おい、噛むなよ?」
好き勝手犯されて。
「てか宮前、お前何してんの?」
「んー僕?動画撮ってんの。ハメ撮りってやつ?」
「はっ、さすが。それでこそ宮前だわ。性格わる」
撮られて。
「どーも。キヨこっちだよーふふっ、泣いちゃって。いい顔してんね」
どう足掻いても、俺はαには逆らえなかった。
────────────────
もう何時間経ったのか。
3人が俺を犯すのをやめた頃には、窓の外は真っ暗になっていた。
何回イって、何回ナカに出されたか分からない。
ただ至る所に精液をぶっかけられて、床に座り込んでいた。
ふと、それまでずっとスマホをいじっていた1人が、声をあげた。
「知ってる?Ω[r]種って一度に複数の人と番になれるらしいよ。しかも番の体液を摂取しないと、発情期ひどくなるんだって。…面白そうじゃん?」
…そうだ。
「何それ、キヨ俺らに逆らえなくなるってこと?いいじゃん、のった。」
こいつは、こいつらは。
「キヨ、動くなよ」
「…お願い、それだけは」
「俺達3人の番にしてやるよ、ありがたく思えよな」
それから3人は俺の首筋に噛み跡をつけた。
今になってもその傷はまだ消えない。
俺の未来は、こいつらに奪われたようなものだ。
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