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劣等種4
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3人が帰ってしばらくしてから、俺も教室を出た。
もうとっくに閉まっている校門の柵を乗り越え、家に向かってふらふら歩いた。
母さんと父さんは幸いにもこの時家におらず、親戚の家に行っていた。
ちょうど良かったのかもしれない。
俺のこんな情けない姿を見たら、母さん達は凄い自分を責めるだろうし。
悪いのは、あいつらなのに。
家に入って、俺はすぐに風呂に駆け込んだ。
急いで俺のナカからあいつらの精液を掻き出す。
痛くて、気持ち悪かったのに、少しでも感じてしまっていた俺が1番嫌だった。
至る所についたアザやキスマーク、噛み跡。
それに嫌でも頭に残っているあいつらの笑い声。
どんなに薬で偽っても、俺はΩ[r]種だ。
──────────────
それから1週間、俺は体調不良を理由に学校を休んだ。
母さんと父さんは相変わらず親戚の家から戻ってくる気配はない。
その時の俺は酷い状態だったと思う。
飯もろくに喉を通らず、発情期はおさまったのに薬を大量に飲み続けた。
1日中何をやってもあいつらの笑い声が頭から離れなくて。
もしかしたら孕んでるんじゃねぇかなって思って、何度も吐いた。
せめて、番をやめられれば。
噛み跡に熱い鉄をあてたり、ハサミでえぐりだしてみたり。
やれることはやった。
でもそれぐらいでこの呪いは消えるはずもなく。
消そうとすればするほど、3つの噛み跡は赤く、俺の身体に刻み込まれた。
あいつらを殺すことだってもちろん考えた。
でも、あんな最悪な奴らにも家族がいると考えると、どうしてもできなかったんだ。
「助けて…父さん、母さん、兄貴っ…」
苦しい、つらい…
「怖い、気持ち悪い…っ」
αが怖い、自分のからだが気持ち悪くてしょうがねぇよ…
「助けて、フジ…!」
そんなことを家で言っても誰にも聞こえてるはずがなくて。
それから俺は死ぬことばかり考え始めたんだ。
どうすれば母さん達に迷惑かけずに死ねるか、とか。
包丁を軽く腹にあてて、どこに刺せば中にいるかもしれない子供も一緒に殺せるかな、とか。
そんなことをぽやぽや考えながらベッドに座っていた時。
「キヨ…?体調大丈夫?」
フジが家に来た。
「なんで…?」
正直めちゃめちゃ驚いた。あいつらが、もう学校中に広めてると思ってたから。
「なんでって。俺ら友達じゃなかったっけ?」
「…え?」
「冗談はそこまででいい…ってかキヨくまひどくない!?寝てる!?」
「斎藤達になんか言われなかったのか…?」
「なんの事?俺なんも聞いてないよ?この調子じゃご飯もろくに食ってないでしょ。だろうと思ってヨーグルトとゼリーは買ってきた」
「あ、うん」
俺が犯されたことは知らなかっただろうけど。
こんな汚れた俺の事を“友達”って言ってくれたことが、ただ嬉しかった。
「はい、これ食ってもう寝てよ。お前元々細かったのにさらに細くなってんぞ」
「…俺、この種類あんま好きじゃねぇんだけど」
「じゃあこっちでもいいからはやく食べて寝ろ!」
フジにわたされた苺のヨーグルトを食べる。
普段はなんとも思わないのに、このヨーグルトはとても美味しく感じられた。
「キヨ、いつになったら来れそ?」
「…わかんね」
学校なんて二度と行きたくなかったが、そんなことを言ってもフジに心配させるだけだ。
「そっか、ヒラもこーすけも心配してたんだよ?あとさ、宮前が『明日が限界かも』とかどうとか言ってたけど…」
─ヨーグルトが凄い勢いで胃からせり上がってきた。
「…ごほっ、ぅっ…ぉえ」
「え、何大丈夫?!ゆっくり深呼吸して…」
フジが俺の背中をさすろうと伸ばした手があいつらの手に重なって、俺はフジの手をはらった。
「…キヨ?」
「…タ、オルはやくっ」
「わ、分かったよ」
タオルを口にあてて咳き込む俺に、フジは不安そうに話しかけた。
「大丈夫か…?」
「大丈夫だから、わりぃけど帰ってくんねっ…?」
「…無理だけはすんなよ、辛かったらいつでも電話していいからさ。」
そう言って、フジは俺に背を向ける。
ほんとにこいつは、今も昔も良い奴すぎるんだ。
だから、だからこそ。
俺はこいつに自分がΩ[r]種であることを打ち明けられなかった。
「…フジ」
「なに?キヨ」
「やっぱなんでもねぇわ。体調戻ったらゲーム付き合えよ?」
「はいはい、てか寝て。」
この時、こいつに何もかも話せていたら。
俺の今も変わってたのかな。
────────────────
その次の日から俺は学校に行った。
ヒラやこーすけは珍しく本気で心配していたらしく、俺を見ると安心したような顔をした。
何もないことを俺は願ったが、現実は上手くいかなくて。
「おーいキヨ。もう大丈夫なわけ?お腹こわさなかったー?w」
「お前ら、っ」
「まぁまぁそんな顔で睨むなって。今日は3時間目に保健室な?」
「もうやめて、頼むからっ」
「なんか勘違いしてない?僕達がしてるのはお願いじゃなくて命令だからね、[r]君?」
その日は体育の時間保健室で1回、帰る途中公園のトイレで1回ヤられた。
あいつらが言うには、俺が奴らに従順に従えばあの動画は広めないでくれるらしい。
もう俺ができることなんて1つしかなくて。
この日からずっと、俺はこいつらに犯され続けた。
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