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はちみつレモン(rtky)
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──レトルト視点──
ぴゅうぅ、と冷たい風が吹く。
「へっくしゅ!」
隣で歩く可愛い恋人が、これまた可愛いくしゃみをした。
「キヨ君大丈夫?ティッシュいる?」
「…さんきゅー」
キヨ君は、俺の恋人だ。
ほんの1週間前に俺の方が告白して、それをOKしてもらたんやけど。
恋人になったんはええけど、これでもかってぐらい何もないんだよなぁ。
「うぅ、3月にしては寒すぎねぇか…?」
「最近また寒くなり始めたよなー、指凍りそう」
ふっと横を見ると、キヨ君の鼻の頭が赤くなっていた。
ふふ、可愛ええなぁ。
「あーそうだ、レトさん」
「ん?」
「あのさ、俺そろそr…こほっ、ごほごほ」
急にキヨ君が咳き込みだした。
「んー大丈夫?体調悪かったんか、外連れ出してごめんな」
「ゴホッ…ケホケホ、、、、かはっ」
思ったより咳が酷くて、慌ててキヨ君を見る。
「キヨ君!?」
キヨ君は身体を曲げて苦しそうに咳き込んでいた。
顔が真っ青になって、喉がヒューヒュー鳴っている。
「あ、えっと、み、水!!水飲みな!?」
俺は慌ててペットボトルをわたし、近くのベンチにキヨ君を座らせる。
普段やったら“関節キスだ”とか考えるとこなんやけど、今はそんな余裕なんてない。
キヨ君はわたされた水を勢いよく飲んだ。
「…落ち着いた?」
キヨ君はこくこくと頷く。
そして口を開いて、驚いたように喉に手をあてた。
「まったく、俺が助けたんやからありがとうぐらい言ってもええんちゃう?」
俺の言葉にキヨ君は焦ったようにスマホに何かを打ち込んだ。
そして俺の方にその画面を向ける。
「ん?『声が出ない』…声が出ない!?」
…そんなこと有り得るん?
俺の心を読み取ったのか、キヨ君は少し怒ったような顔をする。
「いやだって、急にそんなことを言われてもなぁ。ゲームの世界じゃないんやし。」
キヨ君はまた何かを打ち込み、俺に向ける。
「『マジだって。ちょっとレトさん俺の喉触ってみてよ。声出るんだったら震えるはずだろ?』」
自分の喉を指差すキヨ君。
「んーじゃあ失礼…」
俺はキヨ君の喉に触れる。
…うっわぁ肌すべすべ…。
ってそれもそうやけど。確かに全然震えない。
声出してへんのかと思ったけど、喉からヒューヒュー音鳴ってるから、出そうと努力はしてるんやろなぁ。
マジで声出ないのか。
「ほんとに出ないんや…。どうする?病院行く?」
キヨ君は少し考えた後、首を横にふった。
「そっか…じゃあいったんウチ行くか。」
病院よりもウチの方が近いしな。
しかも寒いし。厚着に着替えてそれからキヨ君と病院行こ。
────────────────
「ただいま…あ、キヨ君!」
俺が家の鍵を開けると、キヨ君は勢いよくソファにダイビングした。
「っはぁ…ふぅ」
「だらしないなぁほんま。」
ソファに寝転がったキヨ君に持っていたかばんを投げ、キッチンへ向かう。
「…。はぁ…」
ため息を着きたいのはこっちの方やで。
ふと、マグカップが目に入った。
なんか暖かい飲み物でも入れてやろうかな。
紅茶コーヒーダメやし、何にしようか。
喉に良い…はちみつレモンとか?
我ながらええ考えやな、蜂蜜たっぷりにしてやろー。
蜂蜜と檸檬汁をマグカップに入れ、そこにお湯をそそぐ。
ちらっとキヨ君を見ると、テレビをガン見していた。
「…今なら。」
ごめんな、キヨ君。
俺は黒猫のマグカップに、1つ透明なカプセルを入れた。
よし、大丈夫
「キヨ君飲む?どーぞ」
「!!」
俺がカップを持っていくと、キヨ君はテレビを指した。
「なんや、キヨ君の好き女優さんでも出とるんか」
『ーでは、突然“声が出なくなった”人がたくさんいる模様です。〇〇大学の教授によると、原因は花の花粉と考えられておりー』
「へぇ、花粉。キヨ君以外にも声出なくなった人おるんや」
どうやらキヨ君は花粉にやられたらしい。
「ほら、俺みたいにずっとマスクつけとかんからこんなことなるんやで?」
キヨ君はそっぽを向いてカップに口をつける。
…なんか、こーゆー時カップを両手で持っちゃうとことかすごい可愛いよな、キヨ君。
「この花粉症(?)、1週間たてば治るらしいで。実況はお休みやな」
俺の話を聞いているのかいないのか、キヨ君は少しだけ頷く。
…そういや会話出来へんし、どうやって意思疎通すればいいんやろこれ。
筆談とか“めんどくせぇ”って言いそうだしな、こいつ。
とゆうかよく考えると、あの低い声を1週間聞けないってことか、結構辛いなぁ
その時、かつん、と音がした。
キヨ君がスマホを落とした音だ。
「…!?」
ふらっ、と俺の肩にもたれるキヨ君の身体を支える。
俺は2つのマグカップをローテーブルの上に置いた。
「キヨ君、身体自由に動かないやろ?」
驚いているキヨ君をすっと持ち上げ、俺はソファを立った。
キヨ君は不安そうに俺の腕を掴む。
「…別に悪いモンは飲ませてんよ。睡眠薬を極限まで薄めたやつなんよ。」
意識はトばずに、身体だけ動かなくなるくらいの薄さのやつ。
…ごめんな、いやかもしれんよな。
俺は部屋のドアを足で開け、キヨ君をゆっくりベッドにおろす。
「キヨ君、大好きやで」
「!!」
俺は初めてキヨ君にキスをした。
───キヨ視点────
突然冷たい風が吹いて、俺は小さくくしゃみをする。
…さみぃ
「キヨ君大丈夫、ティッシュいる?」
「さんきゅー」
俺は隣にいるレトさんからティッシュを受け取り、鼻をかんだ。
なんで俺たちが2人で外にいるかって、…まぁ、デートってやつだよ。
付き合ってんだ、俺たち。
ちょっと前にレトさんから凄い勢いよく告白されて、押されてOKしちゃったんだよな。
「うぅ、3月にしては寒すぎねぇか…?」
「最近また寒くなり始めたよなー、寒すぎて指凍りそう」
俺の独り言にレトさんが答える。
…レトさんは優しいから、俺から誘うまで何もしないでくれるとは思うけど。
正直俺は次のステップ行ってもいいと思うんだよなぁ。
キス、とか。
「あーそうだ、レトさん」
俺は思い切って話かける。
「ん?」
「あのさ、俺そろそr …こほっ、ごほごほ」
突然、とてつもない息苦しさが俺を襲う。
「んー大丈夫?体調悪かったんか、外連れ出してごめんな」
「ゴホッ…ケホケホ、、、、かはっ」
「キヨ君!?」
あー待ってこれマジでやべぇ
空気が出ていくだけで、全然入って来ねぇ。
「み、水!!水飲みな!?」
すがるような気持ちで俺はペットボトルに口をつける。
…ふぅ
俺が肩で息をつくと、レトさんが心配そうに顔を覗き込んだ。
「落ち着いた?」
“あぁ大丈夫、ありがと” そう言おうとして、俺は初めて違和感に気付いた。
…声が、でねぇ
「まったく、俺が助けたんやからありがとうぐらい言ってもええんちゃう?」
違うレトさん、言いたいのは山々なんだけど。
俺は慌ててスマホに文字を打ち、レトさんに向ける。
「ん?『声が出ない』…声が出ない!?」
そう!!出ねぇの!!!
あ、この顔信じてねぇな。
「いやだって、急にそんなこと言われてもなぁ。ゲームの世界じゃないんやし。」
レトさんは少し眉をひそめる。
確かに、信じられねぇよな…
俺はいい方法を思いついて、スマホに文字を打った。
「『マジだって。ちょっとレトさん俺の喉触ってみてよ。声出るんだったら震えるはずだろ?』」
レトさんは少し考えた後、俺の喉に手を伸ばした。
ひんやりとした手が俺の喉に触れる。
んん、なんだこれ。すっげぇ恥ずかしいんだけど
ぶわっと顔が赤くなるのを感じ、あわてて顔を逸らす。
レトさんは小さいため息をついて、俺の喉から手を離した。
「ほんとに出ないんや…どうする?病院行く?」
病院?いや行ってもいいんだけど、さみぃんだよな。1回レトさん家帰って上着取りたいかも。
「そっか…じゃあいったんウチ行くか。」
レトさんが俺に手を伸ばす。
俺はその手をとって、レトさん家に向かった。
────────────────
カチ、とレトさんが鍵を開ける。
俺はすぐドアを開いてソファーまで走っていき、フカフカのそれに飛び込んだ。
「ただいま…あ、キヨ君!だらしないなぁほんま。」
レトさんは困ったような顔をしながら俺にかばんを放り投げる。
それをキャッチして、俺は近くの棚にかけた。
「…。はぁ…」
どーすっかな、俺声出ねぇんだろ。実況取れないじゃん。
なんかデカい病気とかかかってたらどうしよ。
リモコンを手に取り、なんの意味もなくテレビをつける。
なーんかおもしれーもんやってねぇかなぁ
次々とチャンネルを切り替えてゆく。
…ん?
俺の指はニュース番組で止まった。
『速報です。都内で“突然声が出なくなった”人が急増しています。その理由はいったい──』
あれ、俺だけじゃないっぽい?
感染症かなにかかな…こわ
「キヨ君飲む?どーぞ」
その時後ろからレトさんが来て、俺に黒猫のマグカップを差し出した。
俺はそれを受け取り、テレビを指す。
「なんや?キヨ君の好きな女優さんでも出とるんか…」
『ーでは、突然“声が出なくなった”人がたくさんいる模様です。〇〇大学の教授によると、原因は花の花粉と考えられておりー』
花粉?
「へぇ、花粉。キヨ君以外にも声出なくなった人おるんや」
レトさんが俺を見て笑う。
「ほら、俺みたいにずっとマスクつけとかんからこんなことになるんやで?」
なんだその得意げな顔。うっぜー
レトさんは無視して、俺はカップに口をつける。
うわ、甘っ。
なんだこれ、蜂蜜?
「この花粉症(?)、1週間たてば治るらしいで。実況はお休みやな」
なんだよ、結構続き気になるゲームあったのに。他の奴らとも実況とろうって約束してたのに。
編集しか出来ねぇじゃん。
もう一度俺はカップに口をつける。
いや、マジでこれなに?甘いし酸っぱいし、はちみつレモンか?
じゃあ何で少し苦いんだ…?
俺はとりあえず花粉で声が出なくなったことをツイートしようと思い、スマホを取り出す。
スマホは俺の手から滑り落ちた。
「…!?」
突然力が入らなくなり、俺は隣に座っていたレトさんにもたれる。
なんだ?手が、足が。動かない…。
待ってこれヤバいって。レトさん!!!
「キヨ君、身体自由に動かないやろ?」
え…?
レトさんは俺の背中に手を回し、そのままひょいっと俺を持ち上げた。
お姫様抱っこはまぁ後でやり返すとして、今なんて言った?
「…別に悪いモンは飲ませへんで。睡眠薬を極限まで薄めたやつなんよ。」
睡眠薬…?なんで
レトさんは寝室まで俺を運んで、ゆっくりとベッドにおろした。
「キヨ君、大好きやで」
「!!」
レトさんは悲しそうに言うと、俺に優しくキスをした。
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レトさんのヤンデレ感が…笑
大丈夫です、ちゃんとハッピーエンドにするつもりなんで(←)
えっと、皆さん。
もうすぐ5000アクセス、しおり50に届きそうです、ありがとうございます!!!
これからも頑張ってエッチな受けを書きますんで、よろしくお願いします!
続きは明日にはあげたいなーとか思ってます。
最後までお付き合いくださいね〜
では、また!!
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