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世界の崩壊
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行き交うモノの姿は獣に人型にと様々。
界域での大きな騒動後、気性が荒ぶったその感情のままに泣く天道。日の始まりを告げると同時にその涙が雨という名の粒となって生命の元へと降り注いだ。
その粒に当てられたモノは妙な力を得てしまい、動物の姿が肥大化してしまったり、より小さい姿になってしまったり。この現象こそが天道の力の強さを表していた。
対して日の終わりを告げる天満はと言えば、感情のままに地を蹴りその蹴った衝撃で星の塊を生命の元へ落としていた。
その塊に打たれたモノは衝撃で負傷し病に伏せたが、その病は治癒までにそれ程の時間を要さず、治る頃にはその撃たれた部分が神と同じ人の様な形態へと変化する奇病として多発していた。これもまた、天満の力の現れでしかなく、生命たちはその先に自分たちがどうなってしまうのかわからない状況に脅え生きていた。
そして、そのモノたちは皆。
共通する言葉というものを得てしまったのだ。
今まで見た目や種族の違うものは意思の疎通が取れなかった世界。
それが一変してしまった――
一日の始まりが訪れたかと思えばその直後に一日の終わりが訪れる。
ずっと日の終わりが訪れない日が続いたり、いつまでも始まりが来ない日もあった。
天道と天満の均衡が保たれない今、世界は時間というものを失っていた。
ふたつの神の気紛れ過ぎる行動により刻は乱れ四季は乱れ、いつ訪れるかわからない日の始まりと終わり。
――生命は皆、狂い始めていた。
この世界は天道の陽を浴び成長を得て、天満の灯りを浴びて治癒する。
それを出来ないモノには“死”のみしか与えられなかった。
陽を浴びずに睡眠を取ること、灯りを浴びて活動をすること、どちらも得られるのは衰弱のみであった。
それを身を以てして体現した仲間を目の当たりにすれば、皆それを遂行するしかないのだが。
いつ夜があけるかわからない、いつ朝がやってくるかわからない。
その状況化は生命に多大なストレスを与え、以前の幸福は意図も簡単に消え去り、どの地も荒んだものへと変貌していた。
それは、正義たち僕らが落とされてから半年と経たない時のことだった。
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