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俊凌 ※凌くんが病弱設定です(シリアスバージョン)
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『ゴホッゴホッ………ゲホッ!……ッ、はぁ……っ…………はぁっ……ゲホッ!』
いよいよ……………身体が限界を迎えてきたかな…………
元々俺は、身体が弱く、小さい頃からよく体調を崩していた。
それは大人になっても治ることはなくて、体調を崩すたんびに、俊に迷惑をかけまいと、必死で隠してきた。
俺は昔、まだ俊が1歳の頃、倒れて救急車で運ばれたらしい。
調べてみるとと、俺の肺にはガンがあった。
その時のガンのレベルは幸い初期のもので、すぐに治すことが出来た。
ガンが治ってからは、少しだけ身体が元気になって、俊と一緒に公園に散歩に行ったり、家でゲームをしたり、多少のことならできるようになった。
ほんとに些細なことだったが、俺にはそれが嬉しかった。幸せだった。
でもその幸せは、突然、音を立てて崩れ去った。
3ヶ月前に、俺は、また家で倒れた。その時、俊は、幸いにも家にいなかった。
俺は救急車で病院に運ばれ、目が覚めたところで、医者に余命宣告をされた。
─残念ながら…………凌さんの余命は、もってあと4ヶ月かと……………
どうやら、20年前のガンが再発したらしく、脳や肝臓にまで転移していた。治すことができない所まで進んでしまっていた。
余命宣告をされた日から、3ヶ月─。
俺は、その3ヶ月間を、意味もなく過ごした。
動画を撮る時も、編集する時も、Twitterを見てる時も、俊といる時も
なんの感情も持たないようにしていた。
そんなの、応援してくれてるいなりすさんたちや、俺の事を支えてくれている俊に、申し訳ないとわかっていながらも、俺は
『死にたくない』『怖い』『もっと生きたい』
間違ってもそんな感情を持たないように、心に蓋をした。
だって、俺が辛いから。
もうすぐ死ぬ事がわかっているのに、大好きな俊がいるこの世界に必死でしがみついてしまうのが怖いから。
大好きないなりすさんたちがいるこの世界から、消えるのが嫌だから。
この世でたった一つの、俺の大切な家族と離れるのが辛いから。
だから俺は“準備”をする。
なんの未練も持たずに、この世から消えていけるような、“準備を”。
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