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俊凌 ※凌くんが病弱設定です (シリアスバージョン)
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凌side
『ゲホッ……ゴホッゴホッ…………!』
今日は、余命宣告されてから、3ヶ月と3週間がたった日だ。
今日はいつもより、一段と体調が悪い。
俊には『ただの風邪だ』と言ってはいるけど、あいつももう立派な大人だ。もうそろそろ、誤魔化しがきかなくなってくる。
今日は、動画も撮る約束をしていたのに、俺が急にこんなんになっちゃったから、俊が1人で全部やってくれている。
ホントに俊にも、いなりすのみんなにも申し訳ない。こんな自分が嫌になってくる。
もういっその事、ガンで死を迎える前に、自分で死んでしまおうと、何度も考えた。
でも、そんなことをしたら、さらにみんなに迷惑をかけてしまう。だから、それが出来なかった。
今俺に出来るのは、みんなに迷惑をかけないように、頑張ることだけ─────
まぁ、結局迷惑かけちゃってるんだけどな…
そんなことを考えていると、部屋の扉が2回ノックされた。
現れたのは俊だ。
「にぃちゃん………大丈夫?」
そう言って俊は、俺のことを心配してくれる。
俺はあまりにも申し訳なさ過ぎて
『大丈夫、心配してくれてありがと』
としか返せなかった。
それを聞いた俊は、何故か浮かない顔をしながら、その場に立ちすくんでいた。
『俊?』
どうしたのかと思い、名前を呼んでみる。すると俊は、
「えっ、あ、何でもない!大丈夫なら全然いいんだけどさ!」
と言って、そそくさと部屋を出ていった。
なんだったんだろう、俊のあの慌てた感じ…
なんか、嫌な感じがする…………………
まさか、“気づかれている”─────?
いや、そんなことはない。多分、目に見えて大丈夫そうじゃない俺が、『大丈夫』なんて言ったから、心配して慌ててたんだろう。
絶対、そうだ。
気づかれているわけが、無い。
だって、今までも上手く隠してきたじゃないか。
俺は、“準備”しなきゃいけないんだから
絶対に、バレちゃいけないんだ
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