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「寂しかったぜ。お前がいなくなっちまって」
ソファに座り、将平が言った。
「右腕見せてみろよ」
恐る恐る右腕を差し出した。怖いけど、将平を怒らせる方がもっと怖いから、言うことを聞く。
彼は僕のシャツの袖を捲りあげて、傷を顕にさせる。僕は思わず手を引っ込めそうになった。でも彼の手が、強く僕の手首を握っていた。
顕になった傷を見て、彼は満足気に舌なめずりをした。
「まだ残ってるんだな。これはお前が俺の物だっていう印だ。
……逃がさねぇぞ」
最後は低く、そう呟いた。
ゾクリと背筋が凍った。僕はもう彼から逃れられないのではないか…。
でも彼は、いずれ僕を捨てる気だったんだ。だったら何故僕を探したんだろう。
「なぁ、久しぶりに抱かせろよ」
「え…」
「今ならまだ許してやるぜ。お前が俺から逃げたこと」
「…で、でも……ぼくは……っ」
僕はもう……傷つきたくないんだ。
「ほら、早く来いよ」
優しげな笑みを浮かべて彼は僕に手招きした。まるで、昔の彼みたいな。
でも声色は全く違った。人を従わせるための声だった。従わなければもっと酷いことが起こるのではないか、そんなふうに思わせるような声だった。
逃げなきゃ……
頭では分かってても、体はおずおずと将平の方へと進んでいく。体に刻まれた恐怖が、反射的に僕を彼の言いなりにする。
僕は彼に言われるがまま、彼に身を寄せ、そのまま押し倒されても、抵抗も何も出来なかった。
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