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花鳥風月の蝶7
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「よっ…!」
テコナが立ち上がったその隙に布団をたたんで、
とりあえず上座の方へと追いやる。
あとは、テコナの禿か新造が部屋を片付けるだろう。
「さて」
テコナは、自らの箪笥へと近づき次々新しい湯巻や肌襦袢を出していく。
それを手早く身体に身にまとっていく。
夜蝶は、その隙に先ほど追いやった着物の中から
簪等の必要な物と洗濯物を選別していく。
そして、夜蝶が自ら持ってきた
油等や紅などを箱の中から出して広げていく。
「…準備出来ましたよ」
夜蝶の準備が一通り終わる頃には、
テコナは艶やかな金糸が織り込まれた着物を身につけている。
化粧をしていないため、
色合いとして栄えていないものの、
それに負けない美しさをテコナは持ち合わせている。
「んぁあー…終わった?」
間抜けな返事をしているものの、
黙っていれば、着物を身につけただけで、女郎にひけを取らない。
「はい、いつでも…」
テコナは、化粧台の前へ座った。
そして、鏡に写る自らと視線をあわせたあと、
背筋をしゃんと伸ばして後ろの夜蝶にいう。
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