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花鳥風月の蝶8
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禿は、太夫の身の回りの世話をする者のことで、
彼には2人の禿と1人の新造がいる。
今、やってきたのは、
禿で、太夫のこの部屋の掃除と片付けに訪れたのだ。
先ほど、上座に丸めた布団や、隅にまとめた着物等を回収している。
「失礼致しんす」
遅れて、新造が入ってくる。禿よりも少しだけ大人びた顔をしている。
「あいよ」
また、鏡越しに顔を確認した太夫は返事をした。
「花魁、今日の予定なんですが…」
口調や表情は凄く真面目そうなのに、顔立ちには華がある。
成長すれば化けるような彼は、鏡越しにじっと太夫を見つめている。
「今日は、最初のおゆかり様がおりんせん。…見世で客引きをおがみいす」
新造がそういうと、太夫は柔らかな口調で言う。
今日の太夫の予定は、見世に出て客引きから始まるそうだ。
「あいよ」
夜蝶が太夫の髪が結い終わると、
今度は新造の髪と禿の髪も夜蝶が結う事になっている。
新造が支度を済ませて部屋に入り、
太夫の髪を結うのをじっと見つめて待つ。
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