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「じゃあまた放課後に寮でな」
いつもより少しだけ沈んだ声の陽と別れて教室に入ると、クラスの人達が一斉に俺を見てきた。
昨日教室で兄さんと話したからかな。
昨日のみんなの反応を見るに、兄さんは相当人気らしい。
そのせいで無駄に注目を集めてしまった。
うう…居ずらい…
とにかく気まずい雰囲気のまま4時間目が終わり、昼食の時間になった。
「春ー!」
楽しそうな兄の声が今だけは恨めしい。
なるべく注目されないように兄の手を引いて小走り気味で歩いた。
あれ、そういえばどこ行くんだっけ?
「ねえ、どこ行けばいいの?」
「ん?食堂だよ」
「え、ここ食堂あるの?!」
いつも陽とご飯食べてるから知らなかったけど、この学校にも食堂ってあったんだ。
しばらく歩くと、ここはどこかの城なのかと錯覚させるほど大きな扉が目の前に現れた。
俺2人分ぐらいか?
「ハハ、やっぱ初めて見るとそうなるよね。」
「当たり前だろ。」
まるで都会に出てきた田舎者の気分だ。
戸惑う俺をよそに兄さんはこの大きさが普通だとでもいうように、ためらいもなく扉を開けた。
食堂は、広くて豪華な造りとなっていた。
そして何故か食堂の中に居た生徒はみなこちらを見て驚いていた。
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