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腕の中で黙りこむ千種を抱えたまま、匡は恥ずかしさに倒れそうだった。
勢いで告白とか、何やってんだよっ
稚拙な自分の不甲斐なさが、千種との差を更に広げているじゃないかと情けなくなる。
「俺のこと、その、セフレとしてでも良いので少しくらい好きになって貰える要素って、ありますかね?
あ、いや、無くても全然長期戦で粘りますけどっ
足りてないとこばっかですけど、千種さんに好きになって貰えるよう頑張りますので」
「・・・頑張るな。
これ以上好きになったら、もう離してやれなくなる」
「へ?!」
確かに千種の声だけど、都合のよすぎる内容。
幻聴ではないかと、千種の肩を掴んで顔を良く見ようと試みたが全力で拒まれる。
「あの、マジですか?
俺なんかのどこが好きなんですか?!」
「そ、そんなこと言ったら、お前の方こそ俺なんかのどこが好きに」
「最初は、んー仕事への姿勢、ですかね?
でも、さり気なく他人のフォローしてる優しいとことか、俺が好きな物をこっそり用意してくれてるとことか、朝一番に寝惚けてふにゃあって笑うとことか、最中わけわかんなくなってってんのに一生懸命腕伸ばしてくれるとことかめっちゃ可愛いし、あとはですね」
「バカッ、もういいっ」
どんどん饒舌になる匡に、千種は降参。
その耳も項も真っ赤に染まっていた。
「千種さん、好きです。
俺と付き合ってください。
俺の方は、セフレでも恋人でも千種さんを離す気はないですよ」
ドクドクと熱い身体の奥から波打つ鼓動と匡の言葉。
今まで縛りつけていたものを全て取り払われ、欲しかった言葉まで言われてしまうと抗いようが無い。
千種は、恐る恐る匡の背に腕を回し、「はい」と確かに答えた。
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