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ヒーロー
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川西 力也は、ヒーローだった。
テレビで流れるヒーロー戦隊に憧れ、近所の子どもと一緒に戦隊ごっこを嗜み、見ず知らずの子どもが泣いていれば声を掛けるくらいの正義感も持ち合わせている少年だった。
それは、時間の経過とともに増えていく想い出の中にいずれ埋没し、ふとしたときに思い出して「そんなこともあったな」と笑って話すくらいの1ページに収まる小さな出来事。
そう、川西 力也がヒーローだったことは、昔馴染みの中でのみ共有する少し埃の積もった思い出話でしか無かったはずなのだが・・・
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