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17 どっち 奏side
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病院で透さんと2人になった時、
「改めまして、透です。よろしくね」
優しい声で話しかけてきた。
「少しお話したいんだけど、いいかな?」
お話し、声…どうしよう…
「斗真から文字でお話したって聞いてね俺もやってみたいな〜って、いいかな?」
紙とペンを机に広げた。
どんな話しするんだろう。
「なにか聞きたいこととかある?…なかったら俺から聞いてもいい?」
静かに頷く
「じゃあ〜斗真のことどう思う?」
え?どう思うって…
斗真さんのこと…
〈いいひと〉
「そっか、例えばどんなとこが?」
〈ごはんくれる いたいことしない〉
「斗真の作るご飯食べた?美味しいよな。
それと、痛いことか、痛いことはもう誰もしないよ。もう我慢しなくていいからね。」
誰も…
なんで…
頭が真っ白になる…
そっか…もう要らないからか…
「不安?」
え?
「痛いことされないの不安?」
………
「じゃあ最後の質問、斗真はこれから奏くんのことどうすると思う?」
斗真さんが俺にすること………
答えは1つ…
〈すてる〉
「どうしてそう思うの?」
〈いらないから〉
「斗真が言ったの?」
〈いってない、でも、いらない しってる〉
「そっか、自分で思ったんだ。」
…否定しない…やっぱりそうだったんだ。
捨てられるなら早くしてほしいな。
変に期待して傷つくなら期待する前に…
ガラッ
斗真さんが帰ってきた。
紙を見ている。
怒られる気がして捨てられるって書いた紙をクシャクシャにした。
「2人で何話してたんだ?」
「色々話してたんだよね〜」
「そっか、」
斗真の声が冷たく感じた…
隠したの怒ったかな…
「奏くん、今からお兄さんのお家に行くんだけど来てくれるかな?」
透さんが言ってきた。
透さんのお家…
………今日のお客さん?
まだ必要としてくれるのかな?
頷いたものの、体が拒絶した。
立とうとしたのに体が震えて動かない…
体が浮いたと思った瞬間斗真さんの匂いがした。
安心するものに縋る思いで力強く引っ付いた。
少し時間が経って、静かになったことに気付き上を見ると斗真さんと目が合った。
「どうしたー?もうちょっと待っててな。」
斗真さんが怒っていないことを確認して、また斗真さんの胸に顔を沈めた。
匂いが心を落ち着かせた。
「奏くん、着いたよ。」
外の世界……恐怖が頭を支配する…
「すぐ家着くからなー、」
部屋に入ると斗真さんから透さんに移動するよう言ってきた。
本当はイヤだ…ずっと斗真さんと…
でも…わがまま言ったら…
怒られたくない………
それに透さんは今日のお客さん…言うこと聞かないとお金貰えない…
「はーい、奏くんおいで〜」
従うことにした。
どんなことするんだろう。
「何もしないよ。」
え?僕の心の声が聞こえてるの?
何もしないってことはお客さんじゃないのかな?
どっちなんだろう…
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