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Let bygones be bygones. 〜過去は過去〜
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「もう、気持ちが無くなった。」
そう嘘をつくしかなかった。
本当は、好きで仕方がない。
別れるなんてこと、選択したくなかった。
声が震えてならない。
涙も出そうで、歯を食いしばった。
「うそ・・・?」
「本当。」
違う、嘘。
全然、違う。
でも、付き合っていることを、ワタルのご両親に指摘された。
そして、別れるよう言い含められた。
ワタルには、結婚して跡継ぎを作ってもらう必要があると説明されたからだ。
ワタルは、日本で有数の製紙会社の跡取りだった。
------------※ ※ ※------------
ワタルとの出逢いは大学のサークルだった。
クイズ研究会は、男性率が多い。
和気あいあいと過ごすうちに、妙にウマの合うワタルとサークル以外でも会って遊ぶようになった。
「今日、家飲みする?」
「やった!ね、ゲームしよう!」
昔懐かしい日本を電車で攻略していくゲームが、ふたりとも好きだった。
「うわぁ!スられた!!」
「やった!俺が勝ったな!!」
ゲームは、楽しかった。
「ちぇっ。・・・なに命令するの?」
負けた方が、勝った人の命令に従う罰ゲーム。
ふと、ワタルとキスしたくなった。
「・・・俺と、キスだよ。」
「ええ?!本気?」
オンナみたいに細い腰とか、細い綺麗な指だったからとか、言い訳はたくさん思いつくけど。
「・・・本気。拒否られたら生きていけないかも。」
そう真剣に言うと、ワタルも真剣な顔をした。
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