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Let bygones be bygones. 〜過去は過去〜
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「嫌だ!絶対、嘘!!」
胸ぐらを掴まれて、揺さぶられた。
「そんなわけない!」
泣かれて、胸が苦しくなった。
だって、好きだ。
将来的に、パートナーシップ宣誓したいと思っていた。
だけど。
『別れてください。』
そう、両親から懇願されたのだ。
『普通の子ではないの。跡取りとして、子どもを作ってもらわなければならないの。』
何となく知っていた。
ワタルが就職した今の会社は、社会勉強のためだって。
酔った時に、いつかは継がないといけないって、そう溢したこともあったからだ。
まさか、日本有数の製紙会社の跡取りとは知らなかった。
ひとりっ子だとは聞いていた。
こんなことになるとは、思っていなかった。
「言って!何があった?!」
「なんでもねーよ。・・・出てくる。」
あてもなく、アパートを飛び出した。
俺も泣きたい。
ワタルのことが好きで好きで、仕方がないのだ。
毎日、抱きしめて寝ている。
毎日、お互いの会社の話をして、笑って。
・・・毎日、キスをして、好きだって囁いて。
なのに・・・ッ!
震える手で顔を覆った。
自販機に寄りかかって、沈み込んだ。
なんで別れないといけないんだ!
嗚咽を抑えた。
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