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Let bygones be bygones. 〜過去は過去〜
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最近、両親の見合い攻撃に閉口している。
早く孫を見たいという気持ちがあるのは、わかる。
だけど、おれには大切な人がいた。
「ごめん、付き合ってる人がいるから。」
そう断り続けてきた。
『お父さんも若くないの。この前も検診で、』
色々言われても、困る。
だって、見合いは出来ないのだ。
そんなやり取りも、彼の顔を見たら忘れられた。
大切にしてくれて、いつもおれの不安を笑い飛ばしてくれる。
そんな彼から別れを切り出された。
あまりにも急な展開に、パニックになった。
出て行ってしまって、静かになった狭いアパート。
おれは体操座りをして、震える両手を力ずくて押さえ込んだ。
おかしい。
絶対に、何かあった。
置きっぱなしの彼のスマホは、おれの誕生日がパスコードになっている。
絶対、気持ちが無い人の誕生日をパスコードのままにはしないはずだ。
だから、大丈夫。
手に取って、履歴を見た。
・・・履歴には、真新しい交友関係はなかった。
ただ、彼の名刺入れには、凄く良く知った人物の名刺が入っていた。
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